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大学って、偏差値だけで選んでいいの?「おもしろ大学合同説明会」体験レポート



日本には大学がいくつあるか、知っていますか?


一般的に「大卒」と言える大学、つまり卒業すると「学士」が取れる大学のうち、2020年度に入学者を募集したのはなんと、781大学だそうです。(旺文社 教育情報センターより



そんなに沢山の選択肢があるのか!と希望を感じるでしょうか。


この中から自分に合った大学を探すのは大変そうだ……と不安に思うでしょうか。



確かに、時代のニーズに即した新しい大学や学部が毎年新設されており、学びの選択肢は増えていると言えます。しかし一方で、各大学での「学び」の中身について、じっくり情報を得る機会は多くなく、膨大な選択肢の中から志望校を選び出すのは至難の業でしょう。


結果的に、まだまだ偏差値と知名度や学部名だけで大学を選ぶのが主流となっています。



本来、大学で学ぶ目的は「就活のために卒業資格を得ること」ではなく、「社会で使える実践力を身に付けること」であるはずです。


自分にとって、4年間というかけがえのない時間と学費を投資する価値のある「学び」が本当に得られるのかどうか、偏差値よりももっと、吟味するべきことがあるのではないでしょうか。





実践力重視の「おもしろ大学」が手を組んだ!


そんな中、さとのば大学が幹事を務め、今年3月に「偏差値を超えろ!おもしろ大学合同説明会」と題したオンラインイベントを2日間にわたって開催しました。



「おもしろ大学合同説明会」とは、変化の多い時代に新しい大学のあり方を模索し、インプット中心の学びから、より「実践力」を重視した探究的な学びへと舵を切っている「実践型大学群」がチームとなって開催しているオープンキャンパスです。



【参加大学】※敬称略・五十音順

 ・桜美林大学

 ・情報経営イノベーション専門職大学(略称:iU)

 ・大正大学

 ・ネットの大学managara 地域イノベーターコース

 ・ビジネス・ブレークスルー大学(略称:BBT大学)

 ・武蔵野大学アントレプレナーシップ学部(略称:EMC)

 ・ものつくり大学

 ・<今年度より>京都芸術大学



昨年7月、第一弾として開催した高校生対象のオンラインイベントに、60名を超える方からお申し込みをいただいたことをふまえ、この3月は高校ー大学間の連携を深めていくための足掛かりとなるようなトークイベントを、教員や保護者の方向けに開催しました。



高校でも探究学習が本格的に導入され、「プロジェクト実践」が中心となっていく高校・大学時代の学びを、いかにして社会に根付かせられるのか。大学はその一翼をどう担い、学生の可能性をどのように広げていけるのか。


今回はそんなテーマで、新しい時代の学びに対する理解を深めるため、第一線でご活躍の専門家お二人に基調講演をお願いしました。



大学選びや人生の進路選択に奮闘している高校生や大学生、学びを支えている教員や保護者の皆さんにとっても、大変価値のあるお話だったので、こちらでそのエッセンスをご紹介します。



なお、今年度も高校生向けのオープンキャンパスイベントを開催する運びとなりました。

高校生の進路選びの一助として「特色ある大学での学びの本質」に触れられる大学紹介のスタイルでお届けします。


5月21日(土)・22日(日)の2日間、オンライン開催を予定しています。

詳細は本レポートの末尾にてご確認ください。





一流企業も「おもしろい人材」を求めている


1日目に登壇していただいたのは、一般社団法人 地域・教育魅力化プラットフォーム代表の水谷 智之さん


かつて株式会社リクルートキャリアの初代社長を務め、現在は島根県海士町の隠岐島前高校の学校経営・魅力化推進に尽力されるなど、人材教育のトップランナーとして走り続けている水谷さんから、経営者の視点で見た「次世代に必要な教育」についてお話しいただきました。





現在、水谷さんが進めている「地域みらい留学」という事業は、過疎地域の魅力的な高校に入学し、人生の縮図体験ができる3年間を過ごすという高校生の地域留学プログラム。


留学先では、教室の中だけでなく、地域の実社会に飛び出して、地域全体を学び舎として自分たちで探究テーマを見つけ、自分たちで挑戦して、失敗して、学ぶのだそうです。



社会の中に正解があり、前例の通りやっていればうまくいく、というこれまでの時代では、スピ―ドや生産性が第一に求められていました。知識さえあれば社会で活躍できるので、一流企業は「学歴」の高い人を採用したのです。



しかし現在、めくるめく変化の中で、正解があることや予測できることはITがやってしまう時代となりました。私たちが人間として豊かに生きていくために、社会で本当に使える力は「学歴」では測れないものになってきています。


これは、社会に出た大人は身をもって知っていることなのですが、高校生や大学生にちゃんと伝える機会が「公教育」の中にあまりない、というのが課題だそうです。



最近では、大企業も「優等生」ではなく、「変態」と呼べるような〝おもしろい人材〟を採用したいと考えている、と水谷さんは言います。少なくとも経営者は、言われた通りに動く人ではなく、新しいことにどんどん挑戦できる人に活躍してもらいたいと考えているのだそうです。





地域でのプロジェクト学習で育まれる「生きる力」


社会に対して「もっとこうしたい!」と、新しい価値を生み出せる人材が求められているということですが、そのために重要なのは、


「WILL」=やってみたいという想いと、

「ACTION」=一歩目を踏み出す勇気なんだとか。



「前例がなくても挑戦したい」と自分が当事者意識を持って、「うまくいくか分からないけどやってみる!」と動き始める力が、これからの時代に求められる「生きる力」だと言えます。



水谷さんは最後に、地域の中で実践的に学ぶ「プロジェクト学習」や「探究学習」に隠された、「生きる力」を育む4つの要素について教えてくださいました。



そもそも、住み慣れた地元などの「コンフォートゾーン」を『①越境』して、知らない場所へ行くことに価値があります。五感が研ぎ澄まされるほど、心が大きく動く経験ができるからです。


また、自分で見つける、自分でやってみる、自分で決める、といった『②自分起点』の経験こそが大きな学びであり、次なる学びの動機になります。


さらに、地域の中では、応援の声をかけてくれる人や、フィードバックをくれる人が近くにいることが多く、『③手触り感』のある学びが得られます。周りの反応を見て、時に否定されるような経験もしながら、『④失敗』の中から学ぶことができるというのも、地域で実践的に学ぶ利点と言えるでしょう。





学校がオープンになっていく「未来の学び方」


2日目に登壇していただいたのは、ドルトン東京学園中等部・高等部 副校長の安居長敏さんです。


「探究学習をやりきる学校」の現場で起きている「未来の学び方」についてお話しいただきました。





ドルトン東京学園は、河合塾グループが2019年に開校した中高一貫校で、従来の学校とは違う価値観を世に問う、という基本理念を持つ新しい学校です。


こどもたちが学びに没頭できる空間づくりを重視しており、校舎のデザインも、東京にありながら森の中で学ぶような環境で、ICTを使って快適に学べるように設計されているそうです。



すべての教科がプロジェクト学習中心の「主体的・探究的な学び」にシフトしていることが大きな特徴で、象徴的とも言える理科の授業では、個人やグループで課題を選んで履修計画を立て、自発的に学ぶということに中学1年生から取り組んでいるのだとか。



何もないところから必要なものをつくるということを重視していて、「やってみて、だめだったら直す」という言わば「朝令暮改」を進んでやっているため、社会のリアルな動きに合わせて日々進化していく学校なのだと言います。


生徒会も保護者会も存在しなかったところ、生徒や保護者たちが自発的につくり始めたというのは驚きでした。


現在調整中の高等部カリキュラムでは、必修を最低限にし、大学や企業とコラボして社会のリアルを学べるような選択授業を単位認定していく予定だそうです。



安居さんのお話の中で印象的だったのは、学校を「閉じた場」にしない、ということでした。


様々なICTツールを取り入れることや、学校をオープンな場として誰もが集える場所にすることで、様々な人の知恵が集まって新しいことが学べるようになり、それが社会にとっても価値になっていきます。



進路についても、偏差値の高い大学に進学することや、大企業に勤めることが誰にとっても正解なのではなく、それぞれ自分が進みたい道を選ぶことを重視しています。


他人の価値観に合わせることよりも、自分の意思で一生学び続けられるような生徒を育てることを目指しているのだそうです。



学校というのは、「今、世の中で起こっていることを自分がどのように捉えるのか」について考え、社会で強く生きていくための「OS」をインストールする場なのだと安居さんは言います。


OSをバージョンアップしていくように、社会の流れを先取りして学校での学びもアップデートしていく必要があり、むしろ、社会の流れを作っていくような勢いのある生徒を育てたいのだそうです。


そこに共感し、高校段階から一緒に学びをつくっていけるような大学と連携したいと力強い言葉をいただきました。



あなたらしい、他の人にはないことがどれだけあるか」に価値がある、という言葉は非常に心強く、この場に集う「実践型大学群」のチームにとっても、共感値の高いお話だったように感じます。





今年も開催決定!おもしろ大学合同説明会


そんな熱い想い溢れる基調講演を受け、参加大学の皆さんとも、それぞれの大学が目指す学びのあり方や、描いている未来などについて、白熱したトークが交わされました。


高校生や大学生を、これからの社会に新しい価値を生み出していく大事な人材として捉え、その学びを高めていくことにそれぞれの大学が本気で取り組んでいるということを再認識し、ふんどしを締め直すような場となりました。



1日目トークセッションの様子


そんなわけで、今年も高校生向けの「おもしろ大学合同説明会」の開催を予定しています



京都芸術大学を新たに加えた、個性あふれる8大学が大集結するオンラインオープンキャンパスに、あなたも参加してみませんか?


──大学って、どんな人たちがつくってるの?

──何を目指して、どんな思いや考えでつくられた「学び」なの?

──4年間の大学生活でどんな力が得られるの?


そんな各大学の情報が得られるのはもちろんのこと、参加大学によるホットなテーマでのトークセッションも予定しています。



また、皆さんが考えていること、悩んでいることもぜひお聞かせください。

ふるってご参加をお待ちしております!



<イベント概要>



【日時】

1日目:2022年5月21日(土) 13:30-16:00(150分)

2日目:2022年5月22日(日) 13:30-16:00(150分)


【場所】

オンラインZoom


【定員】

100名


【対象】

高校生、保護者の方、高校の教員の方など


【参加費】

無料


【申込方法】

こちらのフォームからお申込みください。


【プログラム】

・イベントの趣旨説明(5-10分)

・各大学の説明会(40分程度)

・各大学からお一人ずつ出ていただいてトークセッション(40分程度)

・興味のある大学のルーム(分科会形式)へ行き、交流会(20分×2セッション)

 「行動力がほんとうに身に付く大学期間の学びとは?

・それぞれの大学のネクストアクションの説明(15分程度)


【参加大学】

1日目:

・桜美林大学

・情報経営イノベーション専門職大学(略称:iU)

・ビジネス・ブレークスルー大学(略称:BBT大学)

・武蔵野大学アントレプレナーシップ学部(略称:EMC)


2日目:

・京都芸術大学

・大正大学

・ネットの大学managara 地域イノベーターコース

・ものつくり大学


主催:株式会社アスノオト


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